やさしさに触れて
8/26、ここはドミトリーの2段ベッドの上。
この旅初めてホステルは満足いくものだった。
今までの疲れをリセットしたようだ。
泊まったホステルはダメダメだった。
部屋にwifiが入らない、電源も使えない、風呂場の電気はつかない、周りには中東系の店が沢山。
これで2000円なので文句を言っていいレベルなのだが、
凄く清潔感がある室内なのと、フロントのお兄さんが会話中に何度もウインクをしてくるナイスガイなので許しちゃう。
猫がいるホステルを出ると
朝食を食べるためにぶらぶら歩く。
うまかったし、またフリッツでいいか。
前と同じお店で、サムライソースのフリッツを購入する。
美味しい。
でも朝からフライドポテトはキツイな。
なんでワッフルにしなかったんだろう。
お土産屋を冷やかしで巡り、バス停まで歩く。
ちゃんと保護しないとね
昨日反省して、しっかりとヒッチハイクする場所を調べておいた。
Hitchwikiというヒッチハイク専用wikiがある。そのサイトを参考にして、どこがヒッチハイクに適しているか探し出した。
そこまで歩きは大変だったのでバスで行くことにした。
バス停に着いて、おばさんがいたのでそこで一緒に待つ。
ベルギーは表記が英語ではない。なので全然わからない。
おばさんがどっか行ったので、ベンチに座る。
そしたらおばさんが戻ってきて、
ここは降りる専用だからここにはバスは来ないわよ。このバスに乗りたいなら私に付いて来なさい。
と言ってくれたのでついていった。
バスは3分くらい歩いた所に止まっていた。
二人で乗り込む。
ありがとうね、バスを乗り過ごすところだったよ。
あのおばさん英語話せてたな。若者しか話せないんじゃなかったけ。
50分ほどバスに揺られると
ルーバンという街に着いた。
ヒッチウィキに書いてあるバス停では降りられなかった。
バスに次止まる場所を教えてくれる手段がないんだぜ。そりゃわからないよ。
まあ外人用ではないってことだな。
ここのベンチで食べていると、小綺麗な格好をしている二十歳前後の女の子が話しかけてきた。
最初はフランス語で話しかけて来たので、sorryと言うと英語に変えて話しかけてきた。
ブリュッセルに兄がいて会いに行きたいのだけど、お金がないから10ユーロ貸して欲しい。
可哀想だから一瞬貸してあげようと思ったが、アジア人よりベルギー人に言えばよくねと思い、断った。
あれは物乞いだったのか。
ヨーロッパにはカップを持った年老いた物乞いがたくさんいる。でもあんな若い子でもそういうことするんだな。
てかバイリンガルになる教養あるならバイトしろよ。
大きな街、ルーバンを見向きもせず高速道路の手前まで歩く。
今日は絶対ヒッチハイクするぞ。
途中に木の陰になっているベンチを見つけたので、無印で買ったスケッチブックにマジックでEASTと大きく書く。
まあ東に向かえばとりあえず中欧に着くでしょ、っていう楽観的な考え方。
ここから2時間ほど歩く。
まだ勇気が出ない。
バス停に着いたのでここからバスに乗っちゃえ、という悪魔の囁きを聞きながらバス停のベンチで休憩する。
もうヒッチハイクはいいかな…
と考えていると、ふと日本で見たヒッチハイカーを思い出した。
彼は見た目大学生、都心で若者がたくさん通る道で愛媛と書いたダンボールを掲げていた。
その時僕は友達といたので友達に、無表情はだめなどとイキった発言をしていた。
でもいま思い出すと、人の目がたくさんあるところでヒッチハイクをしている彼の勇姿に感動した。
よし、俺も頑張ろう
EASTと壮大過ぎる目的地を書いたスケッチブックを上に挙げる。
人の目は気にするな。ここは海外だ。
と思っていたら
5分で車が止まった。
もっとヒッチハイクしやすい所に連れてってあげるよ
と言って止まってくれたのはリアーシュさん。
英語が早すぎて2割くらいしかわからなかった。
昔ヒッチハイクでヨーロッパを回っていたらしい。彼女と。
差を見せつけられたが、googleマップを見ながら移動してくれた。
話をしながら15分ほど走って、道端で止まった。
リアーシュさんが「ここでヒッチハイクすれば止まってくれるよ」と言われたが、
英語が聞き取れず「え、結局どこまで行ってくれます」と言ってしまう。
いや、ここから娘を迎えに行かないとね
って言われたのでやっと全てに気づいた。
気まずさのあまり僕の謎の大爆笑で切り抜ける。ついでにリアーシュさんも笑う。
いい天気だからきっと次のドライバーもすぐ止まるさ、と言って車に乗り込んだ。
ありがとう、ここでまたヒッチハイクするよ!
グッドラック
最初のヒッチハイクがうまく行けばこっちのものだ。
同じボードを掲げ、またヒッチハイクをする。
次は10分で止まってくれた。
え、なにベルギーってヒッチハイクに理解あるの
止まってくれたのは優しい雰囲気を持つヴァーランさん。
とても聞き取りやすい英語で会話も弾んだ。
「バスのほうが早いんじゃない?」
「そうなんだけど、現地の人と話したいし英語を学びたいんだよね」
「いい考えだ、君なら日本に帰ったときには英語ペラペラになってるさ」
ティーネンという街で降ろしてもらった。
30分程のドライブは楽しかった。
情報収集をしたいので、ティーネンの街を歩く。
2,3軒のお店に入り、wifiがある聞く。
全部無かった。もうここは田舎なんだな。
あとここ皆さんウィーフィーと言います。
余計な時間を使ってしまったので、急いで大きな道にいきヒッチハイクをする。
また5分で止まってくれた。
え、なにもうすごいな。そんな愛くるしい表情してんのか?!ありがとう!
「サンキュー!!」
「パスポートプリーズ」
まさかの覆面パトカー。
ここから15分程職質にあう。
まあ怪しいわな。
警察に電車でいけと釘を差されたので、駅に戻る。
もうヒッチハイクはいいかな。
心が折れたとかではなく、ヒッチハイクは少し疲れる。
英語が話せるなら良いんだけど、頑張って聞こうとしても聞き取れない時は申し訳ない気分になる。あと言いたいことが言えないので、薄い会話になることとか。
気にしすぎだと思うけど、それが僕。
まあ、やりたい時にやればいい。
風の通る天気のいい日、田舎道を歩いていて気分が良くなった時にスケッチブックを持って親指を立てればいいさ。
無理やりやったら、それがドライバーさんに伝わっちゃうしね。
日が落ちてきた、プラットホームの上でバスを待つ。
ここの駅のホームには遮りがない。
プラットホームの上で少し眠った。
スタンドバイミーを思い出した。
バスに乗り込む。
着いた駅で、ビールとポテトチップスを買う。
ビールが100円ほどで安い。
夕暮れ時、人気の少ない駅でポテチを食べながらビールを飲む。
いいね。
googleマップを見ながら、またバスに乗る。
ローカルバスの旅もいいかも、と思える時間であった。
ハッセントという大きな街についた。
この街で野宿するか。
フェスをやっている隣に、日本庭園という公園があったので、ここで寝袋を敷いた。
日本庭園の隣でフェスやるなよ、日本人おこだぞ。
重低音が鳴り響く中、ぐっすりと眠った。
だらだらと長くなりました。ここまで読んでいただきありがとうございます!
ポチッとお願いします!